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応用生命化学専攻
生物有機化学研究室
内田日向子(修士課程1年)
農2のいいところはどこかと聞かれたら、大きく3つ答えたいと思います。
まずは生命科学に興味があれば誰でも自分が研究したい分野が見つかりそうなところ。
これは自分の経験に基づいて感じたことです。私は理科一類で入学しました。2年生の進学選択の時期は生命科学を学べる学科に進みたいと考えながら工学部の説明会に参加していましたが、学科や研究内容の紹介を聞いても自分が学びたいことと相違があると感じていました。そこで学部から検討し直し、この専修に辿り着きました。農2は、ホームページを見て分かる通り、植物、食品、微生物と幅広い研究分野をカバーする学科です。私のように何を専門的に学びたいか漠然としたイメージしかない人にとっては、様々な分野に触れることで、よりはっきりとしたイメージを持つきっかけになると思います。また、そんなイメージを全く持てず困っている人には、まずは選択肢を増やすことに繋がるのではないでしょうか。
次に、実験がたくさんできるところ。
3年生の1年間、午後はほぼ毎日必修の学生実験がありました(現在コロナ禍でスケジュールは変動しています)。毎日午前は授業を受けて、午後は実験してその都度レポートがあるわけですから、決して楽な学科とは言えないです。しかし、丁寧にデータをとったことで予想していたような結果が出たり、逆に失敗しても原因をしっかり考察できたりすると、自分の手を実際に動かしている分感じられるやりがいもひとしおです。一緒に実験を進める実験班のメンバーや専修の先輩であるTAの方から刺激を受けることもあります。
そして、人間同士の交流が盛んであるところ。
農2は70人程度の大きな学科であるにもかかわらず、専修全体の一体感が強い雰囲気があります。例えば五月祭に向けて学年ごとに企画を催したり、昼休みになると弥生キャンパス内にあるグラウンドでソフトボールの練習(研究室によっては先生方も参加)をしたり。また、学生実験では実験班のメンバーで頻繁にコミュニケーションをとったり、先生方やTAの方に直接指導していただいたりと、人と人の距離が近い印象もあります。
最後にはなりますが、学科を決めかねている方、このページまでたどり着いたことも何かの縁だと思って農学部生命化学・工学専修を進学選択の候補の一つとして検討してみてはいかがでしょうか!
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応用生命化学専攻
食品生化学研究室
立浦和奏(修士課程1年)
農2での学生生活の魅力を一言で表すとするならば、「出会い」である。
私は、食品系の分野が面白そうという漠然とした理由で農2に来た。しかし、様々な①学問との出会い、②人との出会いを通して、2年生の自分が想像していた以上に充実した農2ライフを送ることができている。ここでは、その2つの側面から農2の魅力を紹介したい。
①学問との出会い
多くの研究分野/研究室を持つ農2だからこそできる第2の進学選択!
農2の研究室の数が多いことからも分かる通り、この専修は他の学部/専修に比べて広い分野を扱っている。2年生では、農2で扱う植物、微生物、食品、土壌などの分野を学びつつ、興味に応じて他専修が開講する授業も受講できる。この半年を通して、元々興味のある分野への興味を一層深めたり意外と興味のある分野と出会えたりするかもしれない。そして、3年生以降は農2で扱われている分野に関連した授業をメインに受講する。ここでは、2年生までの興味を深めることもできれば、さらに興味のある分野に出会うこともできうる。実際、私は最も興味がある食品系の授業を中心に受けつつ、醸造や無機化学などへの興味を深めることができた。加えて、3年次の学生実験では座学と同様、多くの分野を網羅した実験をする。このように、4年生までに様々な形で様々な学問分野と出会う機会がある。そのため、莫大な数の研究室の中から自分の興味に最も合うところを選ぶことができる。
また、農2は特に研究室の数が多い=選択肢が多いので、自分の興味に合うところが見つけやすい。つまり、農2では第2の進学選択ができると言っても過言ではない。
②人との出会い
コロナ禍、家に籠って1人でオンライン授業を受ける生活に嫌気がさした…という人にこそ農2はオススメ!
農2には学生実験があり、そこでは学科同期とワイワイ実験をしたり、ヒーヒー言いながらレポートを書いたりと苦楽を共にして仲が深まる。私は3年生次に仲良くなった同期とは今でも交流が続いており、学生時代の大切な友人を得られた。また、実験ではTAや先生方と近い距離で話すことができるため、実験に関する知識だけでなく研究室の雰囲気を知ることもできる。そのお陰で、納得できる研究室選択ができ、現在は日々研究室の同期、先輩後輩と研究に取り組みつつ、研究以外でも交流を深めている。このように農2で得られる縦や横の繋がりが大学生活をより充実したものにさせてくれるだろう。
農2では個性溢れる学問や仲間があなたを待ってます!是非!!
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応用生命工学専攻
醗酵学研究室
川合誠司(修士課程2年)
研究も大学生活もいいとこ取りしよう
研究が幅広い
東京大学には生命科学に関連する学科が沢山ありますが、その中でも私達の専修は、一学年の人数が約80人と最大規模の学科です。そのため、研究室の数や先生の人数も他の学科と比べて多く、研究の幅が広いのが特徴です。3年生で履修する学生実験では、有機化学実験・土壌植物実験・微生物学実験・食品動物実験など、1年間で一通りの実験を経験することができます。4年生になる際に、座学の講義や学生実験の内容を踏まえて、希望の研究室に配属されますが、同期が異なる分野の研究をすることになるので、皆と話をするだけで色んな分野の最前線を知ることができ、とても刺激的です。
現在私は、医薬品などとして利用される有機化合物を、微生物がどのように生産するかについて研究をしていますが、この研究を行うには、微生物の遺伝子操作・有機合成・タンパク質工学などの知識と技術を総動員する必要があります。そのため、先ほど述べた「研究の幅が広い」という専修のカリキュラムの特徴は、実際の研究生活において、とても役立っているといつも感じていますし、就職をする際などの、将来のキャリアにも重要になると思います。
楽しい大学生活
「人数が多いということは、その分人間関係が希薄なのでは・・・」と思うかもしれませんが、そんなことは全くありません!修士に至るまでの各学年で開催する五月祭のイベント、午後の学生実験、その後の飲み会 (+試験勉強?) などの同期たちとの交流で、3, 4年生の頃は大学生活の毎日が楽しくて仕方なかったです。特に、全国の酒蔵から頂く日本酒を無料で提供する利き酒企画は、私達の専修が主催する五月祭の伝統企画ですが、学部時代の一番の思い出です。
この2~3年間ほどはコロナ禍の影響で、駒場生の皆さんもなかなか楽しいイベントの企画が難しかったかと思います。皆さんの進学後に規制がなくなって、色んなイベントができるようになったら、私たちの専修ほど楽しく充実した生活を送れる学科は東大にないと自信を持ってオススメできます!
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応用生命工学専攻
酵素学研究室
藤尾則揮(修士課程1年)
生命化学・工学専修の強みは何かというと、微生物学と食品学がまず挙げられます。微生物の代謝産物、食品中に含まれる物質の研究が盛んであり、かつては鈴木梅太郎教授が米ぬかからビタミンB1を発見し、脚気の治療法として脚光を浴びました。また企業との結びつきが強く共同研究も多いため、その成果を発酵・食品産業に応用し、社会へダイレクトに還元できるところが当専修の特徴となっています。
別の強みとしては、幅広い研究室の存在が挙げられます。その数なんと38。当専修で学ぶ学問分野は農芸化学と呼ばれ、その中には微生物・生物化学・植物・土壌・有機化学・無機化学・生物情報など、生物と化学に関する分野なら大体揃っています。このため、入ってから各研究室の先生方からの授業・実験を通じて最終的に自分の道を選べる、その選択肢の広さが売りだと思います。
私がこの学科を選んだ最大の理由は、この幅広い研究室の存在です。生物に関わる研究をしたいと考えて学科を選ぶ中で、最も幅広く生物を学べる学科であると魅力を感じたからです。
当専修では3年生の1年間(4~7月と9~12月)、週5で午後に学生実験があります。週5で実験と聞いて厳しい学科だなと思う人は多いと思います。ですが、農芸化学という広い分野で各研究室が自身の魅力を伝えるための実験を用意してくれているので、楽しみながら実験を行うことができます。中には日本酒醸造実験という他では体験できない面白い実験があります(酒造には免許が必要なので酒蔵に勤めない限りこの体験はできません)。これは班ごとに日本酒を仕込んで最終日には各自が醸造した日本酒の官能試験を行うもので、授業で学んだ発酵の技術を五感で体験できるところがとても魅力的です。
農学部で最大規模の専修ということもあって専修内には様々な人がいます。食べることが好きな人、お酒が好きな人、ソフトボールが好きな人(研究室対抗のソフトボール大会があるため)など、個性豊かな同期とともに楽しく親交を深めながら専門知識を身に付けることができます。
現在は酵素学研究室で酵素の構造解析や、酵素を用いたモノづくりの基盤研究を行っており、個性あふれる研究室メンバーや教員陣とともに楽しみながらも本気で研究に打ち込んでいます。酵素を綺麗に結晶化してデータを取得できた時が一番の喜びです。
微生物学や食品学を究めたい方、生命系に興味があるけどまだ絞り切れていない方、農芸化学という幅広い分野を体験できるこの専修がおススメですよ。