バイオサイエンスとは、微生物、植物、動物などの示す様々な生命現象について、化学的、生物学的、工学的手法を用いて分子レベルで解明し、その成果を広く人類の生存に役立てようとする研究分野のことです。
遺伝子操作技術の登場と最近の分子生物学、細胞工学の発展は、生物の生命現象の解明、生産機能の開発などにおいて革命的な技術であるバイオテクノロジーを誕生させました。
応用生命化学専攻と応用生命工学専攻では、バイオテクノロジーの手法を用い、食糧危機、エネルギー問題、地球環境問題をも視野にいれた広範なバイオサイエンスを展開しています。
農学生命科学研究科を通じて公表されたものを掲載します。
甘味を示す化合物は糖・アミノ酸・人工甘味料など、その化学的構造が非常に多様であるにもかかわらず、たった一つのヒト甘味受容体により受容される。これらの多様な甘味物質群をヒト甘味受容体がどのように識別しているのかについて、不明な点が多かった。本研究では、人工甘味料として用いられている低分子甘味物質群を用いて、構造の異なる甘味物質をヒト甘味受容体がどのようにして識別しているのかについて明らかにした。甘味物質の認識に関わる受容体側アミノ酸残基を複数突き止め、ヒト甘味受容体がそれらを巧妙に使い分けることにより、化学的性質の異なる多種類の低分子甘味物質を受容していることを明らかにした。
動植物の双方に存在し、ユニークな構造をもつTPC (Two Pore Channel)ファミリーと呼ばれるイオンチャネルタンパク質に着目し、イネのOsTPC1タンパク質が、病原菌由来の感染シグナル分子を感知した直後にカルシウムイオンを細胞内に輸送する過程や、カルシウムイオンを介して抗菌化合物の合成を制御する過程において、重要な役割を果たすことを発見しました。またこのタンパク質が、イネの細胞膜に存在し、カルシウムイオンを輸送する能力を持つことを初めて見出しました。
好熱性水素細菌において、新規の酸化ストレス防御酵素が働いていることを発見しました。この酵素は本菌が好気的に生育するために必須であり、これまで知られていた酵素の祖先型であることが示唆されました。